※中学生学パロ。卒業式前日〜当日。
ナルトがやたらしんみりしてるけど春から皆同じ高校に進学します(笑)
ナルト→サクラ→サスケ→イタチ(?)。皆ほんのり片思い風味でどのカプも未成立。
陽も傾いてすっかり教室が薄暗くなってしまっても何となく帰る気になれず、ナルトは教室の窓に凭れてぼんやりと外を眺めていた。
三年生の教室は二階で、グラウンドとの距離も近い。普段なら今くらいの時間はまだ賑わっている校庭は、しかし今日は人影が見当たらずやけに寂しく見えた。
別に四月から社会に出る訳でも無いのに、卒業式を翌日に控えているだけでやけに感傷的な気分になっている自分に口元を歪め、小さく溜め息を吐く。友達と離れる訳でも無い、ごく一部を除いて周りの生徒達はほぼ同じ高校に進学するのだ。別れなければならないものと言ったら校舎と校庭くらいのもので、おそらく、進学先の高校でも似たようなものが用意されている。それでも、三年間をめいっぱい共に過ごして来た場所に別れを告げる事が寂しいのには変わりなかった。
「……サスケの薄情者」
口に出して呟けば、余計に不満が募って無意識のうちに眉間に皺が寄る。サスケとは毎日のように喧嘩して、それでも毎朝一緒に登校し、時間が合えば下校まで共にした。家が隣なのを良い事にお互いの部屋に入り浸り、夕食の時間になって互いの母親が呼びに来るまで動かない事など日常茶飯事。
そんな風にまるで兄弟のように過ごしてきた友人は、ナルトがまだ帰りたくないと告げると、暫しの沈黙の後にそうかと一言だけ呟きを残して、さっさと下校してしまった。付き合ってくれても良いのに、と思う反面、実のところこうやってひとりで感傷に浸りたかったのだから、サスケに対する不満はそれほど無い。にも関わらず、オレンジ色に染まった教室やグラウンドが段々と明るさを失っていく様子を眺めていると、誰か隣に居てくれたら良いのにと感じる身勝手な寂しさに再び溜め息が漏れた。
「あら、ナルト」
聞き慣れた声に弾かれるように振り返れば、開けっぱなしになっていた扉から入って来たサクラが驚いた様子で幾度か瞬きをする。まだいたの、という声に曖昧な返事で頷けば、早く帰らないと怒られるわよ、と言いながら自分の席に戻ったサクラは慌ただしく帰り支度を始めた。
「サクラちゃんこそ、なにしてたの」
「部室に用事があって。私物残してないか確認するついでに挨拶だけしようって思ってたら、後輩とすっかり話し込んじゃったのよ。で、気づいたらこんな時間」
人の事言えないわよね、と付け足して悪戯っぽく笑うサクラは、普段よりも随分大人っぽく見える。薄桃色の髪が夕暮れのオレンジ色の光に照らされて、言葉では形容し難い程に美しい色彩を放ってナルトの目を奪った。
三年間を過ごすうち、サクラはいつでもナルトの瞳に輝いて映っていた。明朗闊達で成績優秀、スポーツのセンスもある彼女は端から見ればいつも自信と希望に満ちているように見えて、真っ直ぐ見つめるには眩しい存在だった。気が強いとまではいかなくとも言いたい事は言う竹を割ったような性格で男女共に人気があり、密かに憧れている男子生徒も多い。そんな噂を聞いたのは、ナルトがなんとなくサクラちゃんっていいな、と思い始めた中学入学直後の話である。
その後すぐにサクラが他の多くの女子生徒同様にサスケに思いを寄せていると人づてに聞いた時は、やたらと嫉妬してやけにサスケに突っかかっていた時期もあった。しかし、ヤキモチなどというくだらない理由で友人を失う程ナルトも馬鹿では無い。そのうち自然と落ち着いて、三年生に進級する頃にはすっかり元通りになるどころか、以前よりもサスケと過ごす時間が増えたくらいだった。
「で、アンタは何してたのよ。サスケくんは?」
「えっと……、……サスケなら、とっくに帰ったけど」
「…………ふうん」
サクラに興味を持って貰えた事は嬉しかったものの、何となく感傷的な気分で帰れずにいたという理由は照れくささから正直に口にするのは憚られた。最初の問いに対する答えははぐらかしてサスケの所在のみを伝えれば、帰る準備を終えたらしいサクラは学生鞄を閉じながら気の無い返事を寄越す。目の前に居るナルトよりもここに居ないサスケの方が気になるのだろうかと、ますます気分が沈みかけたところで、サクラが緩慢な歩みで窓際に近寄って来た。
「いい眺めよね、うちの学校。二階なのに、もっと高いところにいるみたい」
隣に並びナルトと同じように窓枠に腕を乗せて外を眺める彼女の仕草があまりにも自然で、思わず言葉を失ってしまう。まるでコイビト同士みたいだ、と思えばその瞬間から心拍数が跳ね上がって、頬に熱が集まるのを自覚した。
「皆同じ高校に行くって言っても、やっぱり卒業ってなんか寂しいなぁ、しんみりしちゃう」
誰に言うでも無くただ小さな声で呟くサクラの横顔もナルトや校舎同様に夕陽に照らされて夕焼け色に染まっている。三月とは言えまだ冷たい風に弄ばれた毛先が舞う薄桃色の髪がやけに絵になって、目に焼きついて離れなくなりそうだった。
「……どうしたのよ、さっきから黙りこくっちゃって」
「……あ、いや、……えっと……。……この景色見られんのも明日が最後かって思ったら、……なんつうか、……カンガイブカイ?っつうか……」
「……そうね……。わたし、ここから見える水平線好きだったなぁ。……あ、船。電気点いてる、ほら、ナルト。きれい」
それまで窓の外の景色を眺めていたサクラが不意にナルトの方へ視線を巡らせたせいで、翠緑の瞳と視線がぶつかる。普段となんとなく違う雰囲気の彼女に魅せられて無遠慮に眼差しを注いでいた事に対する叱責を受けやしないかと慌てて言い訳を考えるも上手い言葉が見つからず、諦めて素直に思いを述べた。早鐘を打つ心臓のせいで言い訳めいた物言いになってしまった為からかわれるかと思いきや、彼女の方も感傷的になっているのか、返って来た言葉はナルトに同調するものだった。
ナルトやサクラが通う中学の立地は、比較的高台である。最寄りの駅で電車を降りてから、たっぷり七〜八分は坂道を登らなければならない。なにぶん若いので慣れてしまえば大した事ではなかったが、それでも、新入生の頃や寝不足の朝は随分きつい思いをしたものだった。学校の敷地内に入っても、グラウンドを横目に過ぎれば校舎の中へ入る為には再び短い坂を上る必要があり、何故こんなところに学校など建てたのだと入学したばかりの頃は一年生同士で愚痴をこぼし合った事はそうそう忘れられない思い出である。
しかし教室からの素晴らしい眺めは、その坂道を登る労力と引き換えに得られるものである事に違い無い。グラウンドが校舎よりも低い立地にある為にその下に広がる街並みまでも見渡せ、更に海まで視界に捉える事が出来た。天気の良い日には水平線が綺麗に見える事は、屋上に寝転がって良く空を眺めている同級生に教わった事を良く覚えている。指し示されるままに目を向けた先に広がる空と海の境目に感動を覚えて、暫く言葉が出なかったあの日が遠い昔のようだった。
あの時と記憶を重ねるように白い指先が示すその先へ目を向ければ、もうだいぶ暗くなって空と海の境界線が解らなくなった場所に、明るく光を放ちながらゆっくりと移動するものがあった。それがサクラの言う船であると解り、暗くなっていく海に光が浮かんで見える景色に鼓動が速まる。
も、もしかしなくてもこれは、告白のチャンスなんじゃ…!
計らずも良い雰囲気になっている事に今更気がつけば、一気に緊張感が押し寄せて身体が強張った。それまで平気だった呼吸すらもしづらくなったような気がして胸が苦しくなる。
思えば、セーラー服の彼女を見られるのも明日が最後なのだ。進学する高校の制服はブレザーだと聞いている。確かサクラは、春休みにいのと一緒に採寸に行くのだと、ナルトが同じように採寸に行く予定をサスケやキバと調整しているすぐ側で話していた。
隣で遠くを眺めているサクラを、同じ方向を見る振りをしてこっそりと盗み見る。白と紺のシンプルなセーラー服に身を包んだ彼女は、ナルトの目から見れば誰よりもその制服が似合っていて可愛かった。夏服の半袖から伸びる腕は健康的でありながら守ってあげたくなるような細さで眺める度に胸が高鳴ったし、冬の朝、セーラー服のスカーフと同じ鮮やかな赤いマフラーを巻き、鼻の頭を赤くしたサクラにおはよう!と声を掛けられた時はすぐに返事が出来無い程嬉しかった事は記憶に新しい。
暫しの沈黙の後サクラが急にナルトの方へ向き直り、胸の辺りをじっと見つめて来た。不躾な視線を咎められやしないだろうかと内心ひやひやしたナルトだったが、次の瞬間発せられた言葉に別の意味で表情が凍りつく。
「……ねえ、サスケくんって、第二ボタン誰かにあげるのかな」
「……え、」
「わ、わかってるわよもう第二ボタンとか流行んないどころか昔の話だって!でも、学ラン見るとやっぱり気になっちゃうのよね……」
ナルトの驚いた顔に我に返ったのか、サクラは誤魔化すように笑うとほんの少し赤くなった頬を隠すように右手を顔の前で振ってあははとわざとらしい笑い声を上げた。
そう、卒業式に第二ボタンをやり取りするという風習は、ナルトやサクラの親の世代に有名だった話である。最近は中学から制服がブレザーの学校も増え、私服のところもあったりするせいで学ランやセーラー服自体をあまり見かけなくなった事もその風習が廃れた一因だろう。中学入学の時、ナルトが身に纏う学ランを見たクシナが、父ちゃんに似てるってばね、と嬉しそうに呟いた後、学ラン見るのも久しぶりねとどこか懐かしそうに瞳を細めていた。
「……お、…俺の第二ボタンなら、サクラちゃんにあげられるけど」
「……え……」
告白するのに絶好の機会が訪れても心の準備が出来ていなかったナルトが言える精一杯の言葉に、今度はサクラの方が黙りこむ番だった。
中学に入ってから、彼女の事をいいなと思う心のままに好意をアピールしてきた自覚はある。しかしはっきりと告白まで踏み出せなかったのは、サクラが他の女子生徒同様にサスケを好きだと公言していたからに他ならない。しかしサスケがああいう性格だからか、サクラやいのは口ではサスケを褒めそやしながらも一向に告白しようとはしなかった。それは他のクラスの知らない女子生徒がサスケに告白して振られたからだという噂話もあったし、元々サクラやいのがサスケに向ける感情が、恋愛のそれというよりもアイドルを応援する気持ちに近いからかもしれなかった。
「……そうね、卒業式に第二ボタン貰うって素敵だものね。ありがと、ナルト」
遠回しな告白のつもりで口にした言葉にどんな返事が貰えるのか気が気でなかった為、ふわりと微笑んだサクラの好意的な言葉が嬉しくて思わず声を上げてガッツポーズをしてしまいたい気持ちになる。それと同時に、他意無く両手を取って本当に受け取ってくれるかどうか聞き返したい衝動に駆られた。しかし実際にそんな事が出来る程肝が据わっていればここで遠回しな表現など使わず告白しただろうし、もし万が一彼女がそれを笑って許したとしても、心臓がうるさい程に騒ぎ立てて上手く喋る事すら出来無い今の状況ではそんな行動を起こす事は難しかっただろう。
「……サクラちゃん、俺」
「……まだ学校に居たのか。……サクラも、こんな遅くまで何してやがる。つうかナルト、お前散々携帯鳴らしてんのになんで出ねえ」
もしかしたら、彼女の中のサスケの事が好きだという気持ちは、例え始まりが恋愛感情だったとしても今はもう既にその形を変えているのではないか。そんな期待からサクラの名を呼んだその時、サクラのそれよりも聞き慣れた声が静かな空間に響き渡り、別に悪い事をしていた訳では無いのに弾かれたように肩が跳ね上がった。
「……サスケ」
「サスケくん!」
「てめえが携帯に出やがらねえからわざわざ学校まで来る事になっちまったじゃねえか…。いいから早くおばさんに電話しろ、連絡ねえから心配してるぞ」
サクラの声色がナルトに対するそれと明らかに変わった事にほんの少し傷つきつつも、サスケに促される形で鞄に入れっぱなしにしていた携帯を確認すると、確かにクシナから着信とメールが入っていた。しかしそれ以上に着信履歴に連なるサスケの名前に、彼からの苛立ちが見えるようで思わず笑ってしまう。けれども、小さく漏れた笑い声を聞きつけたらしいサスケに鋭い視線を注がれた為、緩んだ口元に慌てて手を宛てて隠しながら短縮登録してあるクシナの携帯に電話をかけた。何やってんだってばね!と怒鳴られるかと予想していたのだが、電話に出たクシナは安心したように良かったぁと呟いて、早く帰って来なさいと思いの外優しい声で諭しただけだった。
ナルトが電話を切ってもサクラはまだ通話中で、おそらくあの気の強そうな母親にこっぴどく叱られているらしかった。携帯電話から漏れ聞こえる怒鳴り声と、そんなに怒らなくなっていいじゃない、と言い返すむくれた表情からそれは明らかだ。見つけたらすぐに連絡するようにとでも仰せつかっていたのか、捜索係と連絡役を任命されたらしいサスケも複雑そうな表情で電話をかけており、サクラも一緒だから送ってから帰る、と呟いてから携帯をポケットにしまっていた。
辺りはすっかり暗くなっていて、振り返れば先程サクラと共に見た水平線ももう見えなくなっている。サスケに促されサクラと共に窓を閉め施錠していると、丁度見回りらしい教師の足音が聞こえて悪い意味で反射的に心臓が跳ねた。説教が面倒だと全員の意見が一致した為、顔を見合わせた後ナルトとサクラは慌ただしく鞄を抱え、廊下側の壁に張り付くようにしゃがみこんで隠れ足音が遠ざかるまでやり過ごす事にする。陽が落ちて気温が低くなったせいか不意に感じた寒さにくしゃみが出そうになり、引き攣った顔のサクラとサスケに二人がかりで口元を塞がれた時は流石に苦しかったものの、二人の焦った顔と宛がわれたあたたかな掌にどこか幸せな気持ちになった事は、恥ずかしくて口に出せなかった。
星が輝く夜道を三人並んで帰る間、示し合わせたように誰も口を開かなかった。四月から同じ高校に進学するとは言っても、この通学路を家に向かって歩くのは最後なのだ。そう思ったら、普段は喋り過ぎて怒られるナルトですら言葉が出て来ず、付き合いの長い二人の横顔を時折ちらちらと眺めながら出来るだけゆっくりと歩く事しか出来無かった。
サクラを家まで送り届けてからサスケと二人家路を辿る間も、思い出したように一言、二言会話をしただけで後は静かに街並みを眺めて過ごす。明日からも世界は今までと同じように回り、おそらくナルトの周りも何ひとつ変わることなど無いのに、今までと同じ日常が失われてしまうような不安に駆られて心細くなった。その度に隣を歩くサスケの存在を確認して、彼が居てくれる変わらない事実に安堵する。そんな思考を家に着くまでくり返した自分は本当に感傷的になっていたんだなと、玄関を開けた瞬間クシナに抱き締められた瞬間に再認識した。
結局、翌日の卒業式に、サスケは既に第二ボタンの無い学ランで登校してきた。正確に言えばナルトと一緒に学校に来たのだが、教室に着き彼がマフラーを外すまで、ボタンの部分は隠れていたのだ。
驚きざわつく女子生徒達の反応を横目に、皆の疑問を代表するようにナルトが不躾にそのボタンの行き先を問えば、サスケは眉ひとつ動かさずに兄さんにやった、とだけ答える。その言葉に一瞬教室が静まり返った事は、多分この先もずっと忘れられない笑い話になるだろう。
少し年の離れた兄に反発しているように見せかけながらも内心は異様なまでに慕っているサスケのこと、卒業式当日にたかがボタンひとつをめぐって女子生徒に騒がれるよりは、事前にその火種を消しておこうというくらいの軽い考えだったのかもしれない。しかし、サスケの答えを聞いたサクラを含める女子生徒達の、ショックで沈みこめば良いのか笑えば良いのか判断がつきかねるような微妙な表情は、ナルトを含めた男子生徒達の爆笑を誘うきっかけにしかならなかった。
式を終え、教室に戻って最後のホームルームを終えた帰り際、自身の第二ボタンを見つめてどうしようかと思い悩んでいたナルトの元に軽い足取りで近寄って来る人影に顔を上げる。窓から見える晴れた空に良く映える桃色の髪を揺らして目の前に立つ存在は、風に揺れる髪を耳にかける仕草ひとつでナルトの心を掴んで離さないのだ。
「ボタン、くれるんでしょ?」
そう言って右手を差し出すサクラの笑顔に一気に心拍数が上がって、自覚せざるを得ない。
ああ、やはり彼女に恋をしている。
微かに震える右手はボタンをちぎる為に力を込める事で誤魔化して、ナルトの髪の色と同じに輝くボタンをもったいぶらずに白い掌に転がした。ありがとう、耳に心地よく響く聞き慣れた声に曖昧に頷く。
願わくば、いつか彼女の翠緑の瞳が映すのが、自分だけになりますように。
高鳴る胸を誤魔化すように歯を見せて笑い、彼女を呼ぶいのの声を受けてじゃあね、と告げ遠ざかるサクラの背を見つめる。セーラー服の後姿がやけに眩しくて、サクラだけが自分の瞳に特別に映るのだという事実が嬉しくて胸がいっぱいになった。
もしも高校の制服がブレザーでは無く学ランだったら、三年後彼女は誰のボタンが欲しいと思うのだろう。湧いた疑問を、今は頭の隅に追いやる。これから先にある三年間を、サクラやサスケとかけがえの無い日々にしていく事の方が、現時点でのナルトにとって大切な望みだった。
感傷的な気分でぼんやりしているところで、不意に頭を小突かれて振り返る。そこには普段の同じようにサスケが呆れたような表情を浮かべて立っていて、ナルトは慌てて鞄を抱えると席を立った。
サクラがサスケに向けるような感情を羨ましいとは思わない。ナルトがサクラに、そしてサスケに向ける想いがそれぞれ異なり唯一であるように、サクラがナルトに向ける感情もまた無二のものであると考えるからだ。彼女がかつてサスケに抱いていた想いがそのままそっくりナルトへ向くのでは無く、ナルトに向けられている感情がゆっくり変化していってくれる方が、ナルトにとって望ましかった。
ボタンのひとつ減った学ランを誇らしく感じながら、サスケと並んで教室を後にする。昨日はとてつも無く寂しく思えた校舎やグラウンドとの別れが、今日は不思議と清々しかった。帰ったらゲームの続きしようぜ、と隣を歩くサスケに誘いの文句を向ければ、彼は普段と同じように頷く。先程まで胸を切なく締め付けていた寂しさはこれから始まる春休みの期待に変わって胸に溢れ、ナルトの瞳に映る世界を輝かせた。