シンデレラに捧ぐ生贄




※2014ハロウィン。未来捏造、サスケ帰還後。





 夏の間は心地良く感じた夜風の孕む微かな冷気に無意識のうちに僅かに眉を寄せ、詰所での報告も最低限で早々に帰路についたサスケは歩みを速めた。汗で気持ち悪かったのと、自宅に戻ってから出来るだけすぐに休めるようにとシャワーも済ませて来た為か、昨日同じような時間に帰路についた時よりも幾分か気温が低く感じられる。深夜と言っても差し支え無い時刻なのにも関わらず里の中が普段よりもまだ騒がしいのはどこか異国が発祥の地だという祭りのせいだろうか、大通りの方から聞こえる喧騒で今日の日付を思い出すのと同時に脳裏に蘇るナルトの表情に自然と口元が緩んだ。
 今度皆でハロウィンパーティーやるんだってばよ、サスケも来るよな!と断られるとははなから考えていないような弾んだ声で言われたのが数日前、普段から彼につれなくしている自覚のあるサスケでもその晴れやかな笑顔を目の前にして誘いを無下にするのは流石に心苦しくて、深夜まで任務だと答えるのに少し逡巡した。元々大勢で集まる賑やかな場所は好まない為もし予定が空いていても付き合うかどうかは微妙なところだったが、非番であれば多分イベント好きのナルトに連れられて半ば強引に参加させられる羽目になった事だろう。
 お節介な金髪頭から場所だけは聞いていたし、子供の集まりという訳でも無いのだから今ならおひらきという時間でもなさそうだったが、深夜にまで及ぶ任務で疲れた身体を引き摺ってまで途中参加しようという気には到底なれなかった。ひんやりとした風に撫でられた黒髪はまだ僅かに水気を含んでいたのか、身体が冷える感覚に小さく息を吐く。





 遅くまで営業している小さな店に立ち寄り温め直せば食べられる夕食を調達すると今日はもう大人しく寝てしまおうと足早に帰路を急ぎアパートの前に辿り着いたサスケは、明らかに自分の部屋の玄関扉の前に座り込み、どうやら眠りこけているらしい一人の男の姿を見て一瞬言葉を失った。
 何の仮装のつもりなのか黒いマントから見え隠れしている私服は普段彼が好んで着ている目立つジャージで、ああそう言えばコイツは普段からこの行事に似合いの色合いなのだなと今更ながら下らない事に気が付く。手を伸ばせば触れられそうな位置まで近づいても起きる気配が無いおよそ忍らしくない人物は綺麗に無視して部屋に入ってしまおうか、そんな選択肢が無い訳でも無かったが生憎自室へ続く扉は件の存在の背によって封じられていた。

「…おい、」

 呆れて仕方なく声を掛けると、予想に反して相手はすぐに目を覚ました。二、三度瞬きした後に薄っすらと開かれた青い瞳は気配を感じてか迷う事無く自分の方へ向けられ、たった数日ぶりだというのにその澄んだ双眸に心臓が跳ねる。焦点の合っていなかったほんやりした瞳がこちらの姿を捉えるなりすぐに嬉しそうに細められる様子に悪い気はせず、立ち上がったナルトが抱き着いて来る事が解っても抵抗はしなかった。

「サスケェ!お帰り!…あ、じゃなかった、トリックオアトリートォ!」

 だいぶ遅い時間だというのに耳元で大声を出され、思わず持っていたビニール袋を取り落としそうになったのも相俟ってサスケは反射的に金髪頭に軽く拳骨をぶつける。うるせえ、今何時だと思ってるんだと諫める言葉を付け加えて暴挙を正当化すると頭を抑えたナルトが大袈裟に痛がってみせた。ぶつけた拳に殆ど力などこもっていなかったというのに、全く図々しい。

「痛ェ!何すんだってばよぅ…せっかく早めに引き上げてサスケのこと待ってたのに」

「誰が頼んだってんだ、このウスラトンカチ」

 祭りの雰囲気に気分が高揚しているのか普段以上にころころと変わる表情を目の当たりにするとつい絆されてしまいそうになる自分の気を引き締めて言い放ち、サスケは漸く障害物の無くなった扉に鍵を突っ込み玄関へ足を踏み入れた。靴を脱ぐよりも先に後ろから伸ばされた手に電気を点けられて軽く振り返れば、だらしなく笑うナルトに再び抱き着かれたので面倒そうにその身体を引き剥がして居間へと向かう。

「なァなァ、サスケってば。今日何の日かわかってんだろ?お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぞー」

 真っ黒いマントをひらつかせて少々覚束ない足元で数歩後ろを付いて来るナルトからはお菓子の甘い匂いと、それに混じってふわりとアルコールの香りが漂って来た。どうやら酔っているらしい。
 付き合い始めてこの部屋に良くナルトが入り浸るようになってから菓子やラーメンの類がいつの間にかわんさか持ち込まれていて、正直なところ今の彼に押しつける物には事欠かない。しかしいくらサスケのアパートに保管されているものでも、ナルトの所有物であるそれらが彼の求めるところでは無い事など明白である。

「一体何の仮装のつもりだ、ソレは」

「え、見てわかんねえ?吸血鬼だってばよ、ドラキュラっつうの?ほら、よく見てみろって」

 どうあしらったものかと面倒くささに無意識に眉根を寄せながら疑問を投げかければ、いー、と人差し指で口の両端を引っ張って見せたナルトの歯列には、なるほど普段は見られない可愛らしいサイズの牙が並んでいた。

「…歯だけじゃねえか」

「何言ってんだってばよ、ちゃんとマントも着てんだろ!つうか、今くらいの時間に帰って来られるならやっぱりサスケも来れば良かったのに。可愛かったぜー、サクラちゃんの魔女!」

 キバの狼男とチョウジのフランケンもハマってたし、いのに引っ張られてきたシカマルが布一枚被ってオバケだって言い張ってたのも面白かったし!と興奮気味にまくしたてるナルトの言葉で、同期の仲間達の仮装姿が容易に想像出来てサスケは密かに口元を緩める。
 確かに彼の言う通り、行けばそれなりに楽しめたのだろうし、仲間達の仮装姿に多少興味も湧いたけれど、やはり賑やかな催しが苦手な事には変わりが無い。現に、こうやって吸血鬼ひとりもてなしてやる技量すら無いのだから。

「ともかく、そんな半端な仮装じゃ菓子はやれねえな」

 ナルトの訪れによって深夜にまで及ぶ任務の疲れを忘れている自分に気がついて、サスケは挑発的な笑みを浮かべる。待っている間に冷えたのだろう手を取って居間へ導けば、間抜け面の吸血鬼が破顔してマントを翻らせた。





 自分だけ何か食べるのも気が引けたので買ってきた惣菜を一緒に食べるかと問えば、お菓子で腹いっぱいだから要らないと返されて、サスケはやはり行かなくて正解だったと考えを改めた。
 温めなおしたそれを腹におさめる間に聞いた話によれば、サクラやいのの手製やチョウジが大量に持ち込んだ菓子がパーティー料理のメインだったらしい。むしろどんな仮装やオバケよりもそちらの方が恐ろしくて、ナルトが指折り数えながら列挙する品々を耳にするだけで思わず今口にしている煮物すら甘く感じられそうになる錯覚にサスケは無意識のうちに眉間に皺を寄せた。話している本人が幸せそうな表情を浮かべている気がしれない。
 食事と呼ぶには無精な夕飯を殊更ゆっくりと食べ進める間、向かいに腰を落ち着けたナルトは帰る素振りなど見せず陽気に喋り続けた。少々呂律の怪しい口調で取りとめも無くパーティーの様子を話して聞かせる彼はほろ酔いなのも手伝ってか本当に楽しそうで、良く変わる表情と朗らかな笑い声はきっとサスケ一人だったなら静まり返っていただろう部屋に明るく響く。彼のそんな姿を見ているだけで温かい気持ちで胸が満たされ、あまり食欲など無かった筈なのにも関わらずつられるように箸が進んだ。
 ひと時も黙っていなかった癖にまだ喋り足りないのか、食事を終え惣菜を温め直すのに使った食器を洗ってしまう間もナルトはわざわざ台所まで付いてきて無遠慮に纏わりついて来た。振り払おうと身を捩る度ひらひらと翻るマントが邪魔だと邪険にしても、上機嫌に笑うばかりで抱き着くのを辞める気配など無い。
 全く救いようの無い馬鹿だ、内心で呟いたところでサスケは自分も同じ穴の狢だと解ってもいる。離れろ、嫌だと繰り返される不毛なやり取りを自分だって楽しんでいるのだ。全く、本当に救えない。
 水道代が勿体無いと散々文句を言いながらも、疲労の蓄積した身体に触れてくるぬくもりは正直心地良かった。それを見抜いての事なのかサスケの抵抗が棘の少ない言葉だけなのを良い事に後ろから抱き着いたまま離れようとしないナルトへの仕返しは、濡れた掌で顔面を軽く叩くだけの幼稚な嫌がらせに留めておく。何すんだってばよ、と言いながらも楽しそうに笑い声を上げる彼にとっては、仕返しどころかスキンシップの一環に過ぎなかったのだろうけれど。





 最初から下心があったのか、もしくはベタベタと触れて来るうちに何らかのスイッチが入ったのか、寝室に入るなり明日も任務だからもう寝ると告げるとナルトは露骨に不満そうな表情を浮かべた。
 家に帰ってから風呂に入るのが面倒で詰所でシャワーを借りた為そのままベッドへ身体を横たえれば眠る事が出来る。が、いつまで経っても自分の根城へ帰ろうとしない吸血鬼に恨めしそうな視線を注がれていては眠れるものも眠れない。強引に迫ってくればまだこちらも乱暴な対処法に出られるのに、じゃあおやすみ、と言い放ちベッドへ身体を沈めたサスケにナルトは手出しして来なかった。

「…何だ、言いたい事があるなら言え」

「……、……お菓子くれなきゃイタズラするぞって言ったじゃねえの…」

 責めるような眼差しが耐えきれなくなり被っていた毛布をずらして問い掛ければ、暫しの沈黙の後拗ねた声で呟かれた言葉に呆れてものも言えなくなる。言うに事欠いてそれか、そもそも、誰がガキの遊びの行事に付き合ってやると言ったんだ。喉まで出かかった言葉を音にしなかったのは、完全にふてくされているナルトの表情があまりに子供っぽくて、不覚にもそれを可愛いと感じてしまったからだった。

「一体何がしてえんだよ、このエセ吸血鬼」

「…サスケにイタズラ」

 間髪入れずに返された素直過ぎる答えが指し示すものが、子供がするような可愛らしい類の、または少々腹立たしくなるような類の悪戯では無い事など、当たり前だがサスケには疾うに解っている。そもそも、彼の言うイタズラはサスケにとって本意では無い事の方が少なかったりするくらいなのだ。今日においては尚更、明日の予定を考えた冷静な自分が恋人の望みを受け入れる事を良しとせず、心を鬼にして容赦無く言い放った。

「じゃあ菓子でもラーメンでも好きなだけやるからそれで我慢しろ。大体テメエの望みは悪戯じゃなくて菓子の筈だろうが」

「〜〜〜〜っ、冷てえなァ!ソレが寒い中外で帰り待ってたコイビトに対する態度かよ!?」

 素っ気無さ過ぎる言い方が不味かったのかいずれにしても我慢の限界だったのか、まるで子供が駄々を捏ねるかのような物言いでまくしたてたナルトが強引にベッドに乗り上がって来て、一人用に設えられた寝具がギシリと音を立てる。
 少々冷たくし過ぎたかと焦る間も無く毛布を引き剥がされ、寒いから止めろと抗議する為に開きかけた口は言葉を発する前に塞がれてしまう。

「ン…っ、…ん…!」

 先程までの遠慮はどこへいったのか、半開きの唇から侵入してきた舌に自分のそれが絡め取られる感覚に背筋が震えた。
 相手が強引なやり方をするならと振り上げかけた拳は目標物にぶつける前に手首をシーツへ縫い付けられて両方とも封じられてしまい、酔っている割りにやけに立ち回りの良いナルトに舌を巻く。普段はへらへらしている癖に、完全にこちらの行動パターンが読まれている事に腹を立てるものの、今更後悔しても既に遅かった。脚を使おうとしても、身体の動きを封じるようにのしかかっているナルトによってしっかり押さえこまれてろくに動かない。

「…て、めえっ…!ふ、ざけ、んな、…ァ…っ!」

 やっと口づけから解放され、息苦しさから僅かにぼやけた視界でナルトを睨み付けるが、今度は首筋を吸われて言葉の最後は不自然に上擦った。わざととしか思えないような音を立てて執拗に吸い上げているところを見ると、邪険にされた腹いせのつもりなのか痕を残すつもりなのだろう。
 見えるような場所は困る、止めろと制止しなければならない事は解りきっているのに、いつの間にか服の中へ手を差し込んで来たナルトの掌に脇腹と背中の中間辺りを撫でられて不覚にも身体が跳ねた。まずい、早く何とかしなければこのまま流されてしまうと焦る心に相反するように身体が少しずつ熱を持ち始めるのが解る。

「…い、…てェよ…っ、この馬鹿!」

「…へ?何が?」

「その下らねえオモチャがだ!」

 やっと言葉に出来たのは、ナルトが首筋に吸いつく度薄い皮膚に食い込んでくる牙に対しての抗議だった。彼に自覚があるのかどうかは解らないが、止めろ、離れろと命じても言う事をきかないナルトは、どんなに暴走していても痛い、嫌だと言えば確実に動きが止まる。制止する為にそういう相手の癖を利用しようという打算もあったが、先程はちゃちな造りのオモチャに見えた牙の尖った先端が皮膚を刺す感触が地味に痛覚を刺激して来る事も事実だった。

「…あ、ホントだ。こっちも痕ついてる」

 少々冷静さを取り戻したらしいナルトの指先に首筋をなぞられて、サスケは感じ入った吐息をまるで溜息であるかのように見せかける事に必死になる。勿論自分では見えないが、ナルトによれば鬱血の両脇に牙が食い込み、赤い点になっているらしかった。楽しげな笑い声が静かな寝室に響く。

「なんかホントに吸血鬼に血ィ吸われたみてえ」

 その、艶めかしい雰囲気が和らいだ一瞬を見逃すサスケでは無かった。すかさず自由になっていた右手を伸ばしてナルトの口を塞ぐように宛てがい、そのまま力を込めて相手の身体を押し返す。確かな手応えに満足げに口端を引き上げ、ほんの少し乱れた呼吸を整えてから低い声で呟いた。

「ここまでだ」

「…ええー、…せっかくいいとこなのに…」

 ナルトの方も勢いを失ったのか今までのように強引な行動には出なかったが、サスケの身体にのしかかったまま動こうとはせずに不満そうにむくれてみせた。明日も早朝から任務という予定さえ入っていなければこのままなし崩しに行為になだれ込んでいたかもしれないが、ふと巡らせた視線の先断る理由を見つけてサスケは笑みを深める。

「吸血鬼は城に帰る時間だな」

「…へ?」

「残念だが、ハロウィンは終わりだ」

 指さした先には、零時を回った時計。すぐには意味が解らなかったのか間抜け面で間抜けな声を漏らす吸血鬼もどきがぼんやりしている間に、サスケは相手の身体を強引に押しのけてその下から這い出した。

「それって、日付変わったからってこと!?堅いこと言うなってばよ、いいじゃねえの!」

 やっと獲物を逃がしてしまった事に気付いた間抜けな吸血鬼が喚くのを内心ほくそ笑んで聞きながら、再び押し倒されたりしないようサスケはベッドを降り立ち上がる。そのまま腕組みして見下ろせば、先刻までとは位置の逆転したナルトの焦った表情に優越感が生まれて気分が良かった。

「お前、イベントはその時だけだっていう特別な感じが良いんだっていつも言ってるだろうが。過ぎてからもやってたら特別でも何でもねえぞ」

 諭すような諫めるような目つきで低い声音を出せば、ベッドの上に座ったままのナルトがさながら説教されている子供のように肩を竦める。少々狡い気はするものの、お世辞にも口が達者とは言えない彼に反論の術は無いだろう事を見越して正論を振りかざせば、案の定ベッドの上に座り込んだ相手は押し黙ってしまった。

「………ったく…」

 拗ねているのか落ち込んでいるのかすっかり項垂れてしまっているナルトの表情は窺えなかったが、勝手にした事とは言え寒空の中自分の帰りを待っていてくれた恋人への仕打ちとしては流石にあんまりな気がして、暫しの沈黙の後サスケは大きく溜め息を吐く。それでも何を口にする訳でも無いナルトを横眼で見遣り、もう一度息を吐くとベッド脇に置いてある小さな棚の引き出しから長い事その場所で眠っていたものを取り出した。

「…ほら。これやるから機嫌直せ」

 掌に食い込む固い感触に僅かな緊張を覚えつつ拳を突き出して呟けば、しおれていた吸血鬼は存外素直に顔を上げる。サスケの掌の中のものを受け止めるように差し出された両掌へ向かって焦らさず拳を握る力を弱めれば、チャリ、と音を立ててそれはナルトの手の中へおさまった。

「……カギ?」

「…またどっかのバカが外で寝こけて風邪でもひいたら困るからな」

 暗闇の中でもほんの少しの明るさを拾い上げて鈍い光を放つそれを合鍵だと判断するのにさほど時間はかからなかったようで、驚きと喜びが混ざったようにナルトの声のトーンが上がるのが解る。本当は随分前に用意していたものだったが、いつ渡せば良いかと考えるうちに時は過ぎ、すっかりタイミングを逃してしまい込まれたままになっていた。

「菓子じゃないと不満かよ」

「そ、そんな訳ねえだろ!すげえ嬉しい!めちゃくちゃ嬉しいってばよ…!」

 彼が喜んでいる事など醸し出される雰囲気で既に伝わってはいたものの照れ隠しにそっぽを向いて呟けば、身を乗り出したナルトに早口でまくしたてられサスケは言葉に詰まる。彼の事だから喜んでくれるだろうとは思っていた、予想はしていたが手放しで喜びを露わにされるとどういう反応をしたものかと戸惑ってしまう。

「サスケェ!マジでサンキューな!」

 さっきまでの態度はどこへやら、首に腕を回し抱き着いてきたナルトに拍子抜けたサスケは彼を受け止めようとして咄嗟に腕を広げた。しかし予想以上に思い切り身体を預けて来た相手の体重を受け止めきれず情けない事にそのまま後ろに倒れ込む。

「バカ、何やってんだ。危ねえだろうが」

 急な事とは言え自分と体格の変わらない男一人受け止め損なった情けなさを誤魔化す為に糾弾する声音の厳しさは、腕の中の人物の満面の笑みを目にするなり消え失せた。菓子なんて最初から目当てでは無かったのだろう恋人が求めている悪戯が、軽く触れ合って一緒に眠る程度のもので良いのだとしたら。今晩くらいは、夜が明けるまでハロウィンという事にしておいても良いかもしれない。